•  > 
  •  > 
  • 3秒で伝わるファーストビュー!BtoBで外せない6つの必須要素と構成のコツ

3秒で伝わるファーストビュー!BtoBで外せない6つの必須要素と構成のコツ

ファーストビューとは何か

ファーストビューとは、ユーザーがWebサイトにアクセスした際、スクロールせずに最初に目に入る画面領域のことです。

英語では「Above the fold(折り目の上)」と表現され、新聞を折りたたんだ状態で見える上部の記事から由来しています。

BtoBサイトにおいて、ファーストビューはまさに「デジタルの受付」です。

訪問者は平均わずか3秒でサイトの価値を判断し、そのまま読み進めるか離脱するかを決めます。

この3秒間で適切なメッセージを届けられなければ、どれほど優れたコンテンツを用意していても、読まれることなく終わってしまうのです。

デバイスによってファーストビューの範囲は異なります。

PCでは横幅1000〜1200px、高さ550〜600px程度が一般的ですが、スマートフォンでは横幅360〜375px、高さ600〜650px程度になります。

限られたこの空間で、いかに効果的に情報を伝えるかが、BtoBサイトの成否を分ける鍵となるでしょう。

BtoBサイトでファーストビューが重要な理由

データが示す通り、ファーストビューでの離脱率は驚くほど高い数値を記録しています。

ランディングページでは平均70%以上、コーポレートサイトでも40〜60%のユーザーがファーストビューの段階で離脱してしまうのです。

つまり、せっかく広告費や労力をかけて集客しても、大半の訪問者はファーストビューだけを見て判断し、ページを去ってしまいます。

BtoBビジネスでは、この傾向がさらに顕著になる理由があります。

BtoB商材の多くは複雑で、導入には複数の関係者による意思決定が必要です。

サイト訪問者は限られた時間の中で、「このサービスは自社の課題を解決できるのか」「信頼できる企業なのか」「具体的にどんなメリットがあるのか」を瞬時に判断しなければなりません。

ファーストビューが不明瞭だと、忙しいビジネスパーソンは即座に離脱し、競合サイトへと移ってしまうでしょう。

さらに、BtoBサイトのコンバージョン数の約30〜50%は、ホームページから直接フォームへ直行するユーザーによるものです。

初回訪問でいきなり問い合わせに至るケースも10〜20%存在します。

このような「今すぐ顧客」を取りこぼさないためにも、ファーストビューにコンバージョン導線を明確に設置することが不可欠なのです。

ファーストビューで外せない6つの必須要素

効果的なファーストビューを構成するには、6つの必須要素をバランスよく配置する必要があります。

それぞれの要素が果たす役割を理解し、自社サイトに最適化していきましょう。

キャッチコピー(メインメッセージ)

キャッチコピーは、ファーストビューで最も重要な要素です。

訪問者が最初に目にする言葉であり、3秒という限られた時間で「このサイトには自分が求める情報がある」と感じてもらわなければなりません。

効果的なキャッチコピーには、3つの条件があります。

まず、ベネフィット(便益)を明確に伝えることです。

サービスの機能を羅列するのではなく、「そのサービスを導入することで、どんな未来が手に入るのか」を具体的に示しましょう。

例えば「クラウドベースの業務管理システム」よりも、「業務時間を30%削減する業務管理ツール」の方が、訪問者に響きやすくなります。

次に、独自性を打ち出すことです。

競合との差別化ポイントを一言で表現できれば、「なぜこのサービスを選ぶべきか」が伝わります。

「BtoB企業専門」「中小企業向けに特化」「導入実績3,000社」など、自社だけの強みを端的に示してください。

最後に、わかりやすさです。

専門用語や横文字を多用すると、訪問者は理解するのに時間がかかり、離脱につながります。

理想は2行以内、15〜20文字程度で、中学生でも理解できる平易な言葉を使いましょう。

長い文章は無意識に敬遠され、読まれる前に離脱されてしまいますよ。

サブコピー(補足メッセージ)

サブコピーは、メインコピーを補完し、訪問者の理解を深める役割を果たします。

メインコピーの上部に配置する「呼びかけコピー」と、下部に配置する「強みを示すコピー」の2種類が効果的です。

呼びかけコピーでは、ターゲットの課題や願望を代弁することで、「自分ごと化」を促します。

「業務効率化にお悩みの経営者様へ」「人材不足を解決したい企業様へ」など、訪問者が抱える悩みを言語化することで、心理的な距離を縮められるのです。

一方、強みを示すコピーでは、具体的な数値や実績を端的に伝えます。

「導入企業3,000社突破」「満足度95%」「業界シェアNo.1」など、サービスの信頼性や実績を簡潔に示すことで、訪問者に安心感を与えられます。

ただし、対象を狭めすぎないよう注意が必要です。

「初めての方限定」といった表現は、経験者を排除してしまうため、「初めての方でも安心」のように、間口を広げる表現を心がけましょう。

メインビジュアル

メインビジュアルは、言葉よりも短時間で多くの情報を伝えられる強力な要素です。

訪問者が直感的に「自分に関係がある」と感じられるビジュアルを選ぶことが重要になります。

効果的なメインビジュアルには、3つのパターンがあります。

1つ目は、利用シーンを示す画像です。

実際にサービスを使っている様子を見せることで、訪問者は「自分も使えるかもしれない」とイメージしやすくなります。

例えば、オフィスでツールを使っている様子や、会議で活用しているシーンなどが該当します。

2つ目は、UI(ユーザーインターフェース)を直接見せる方法です。

特にBtoBのSaaSやツール系サービスでは、管理画面やダッシュボードを見せることで、導入後の具体的な使用感を伝えられます。

訪問者は「自分がこの画面を操作している状況」を想像しやすくなり、サービスへの理解が深まるでしょう。

3つ目は、理想の未来を示す画像です。

サービスを利用した結果、得られるポジティブな状態を視覚化することで、訪問者に期待感を持たせられます。

転職支援サービスなら転職後に笑顔で働く姿、業務効率化ツールなら余裕を持って仕事をする様子などが効果的です。

写真、イラスト、動画のどれを選ぶかは、サービスの特性によって異なります。

写真はリアルさや信頼感を、イラストは親しみやすさを、動画は操作感や臨場感を伝えやすいという特徴がありますよ。

CTAボタン

CTA(Call To Action)ボタンは、訪問者に次の行動を促す最重要の導線です。

ファーストビュー内に明確に配置し、クリックしやすいデザインと文言を設定しましょう。

効果的なCTAボタンには、2つのポイントがあります。

まず、次に起こることを具体的に示すことです。

「お問い合わせ」「無料登録」といった抽象的な文言ではなく、「無料で資料をダウンロードする」「今すぐ無料トライアルを始める」など、ボタンを押した後のアクションが明確にイメージできる表現を使いましょう。

次に、マイクロコピーで心理的ハードルを下げることです。

ボタンの上に「かんたん登録1分」「クレジットカード不要」「今なら無料」などの一言を添えるだけで、訪問者の不安が軽減され、クリック率が向上します。

また、CTAボタンは目立つ位置に配置し、周囲の色と差別化された色を使用してください。

ドロップシャドウで立体感を出すことで、「押せるボタン」であることを視覚的に伝えることも効果的です。

信頼性・権威性の訴求

BtoBサイトでは、サービスの質だけでなく、企業としての信頼性が問われます。

ファーストビューに信頼性・権威性を示す要素を配置することで、訪問者の不安を取り除き、コンバージョンへの心理的障壁を下げられるのです。

具体的には、利用者数や満足度などの数値データが効果的です。

「累計導入企業5,000社」「満足度98%」「継続率95%」といった具体的な数字は、抽象的な表現よりも説得力を持ちます。

これは心理学でいう「社会的証明(Social Proof)」の効果で、「多くの人が選んでいるものは正しい」と無意識に判断する人間の傾向を利用したものです。

また、受賞歴や公的認定も強力な権威性の証明になります。

「◯◯賞受賞」「ISO認証取得」「◯◯ランキング1位」などは、バッジやアイコンで視覚的に強調すると、瞬時に伝わりやすくなるでしょう。

導入企業のロゴを配置することも、特にBtoBでは効果的です。

有名企業のロゴを見ることで、「この会社も使っているなら安心だ」と直感的に信頼感を抱きます。

ファーストビューの下部に一部が見切れる形で配置するだけでも、十分な効果がありますよ。

ただし、信頼性を示す際には、必ず根拠を明確にしてください。

誇張や根拠のない表現は、かえって信頼を失う原因になるだけでなく、景品表示法違反などの罰則対象になる可能性もあります。

ナビゲーション要素

ファーストビューには、訪問者が次にどう行動すればいいかを示すナビゲーション要素も必要です。

グローバルナビゲーションやヘッダーロゴは、サイト全体の構造を理解する手がかりになります。

また、スクロールを促す視覚的な誘導要素も効果的です。

下向きの矢印や「Scroll」という文字、コンテンツの一部が見切れているレイアウトなどを配置することで、「下にも情報がある」ことを示し、離脱を防げます。

特にBtoBサイトでは、ノートPCで閲覧するユーザーが多いため、写真だけで画面が埋まる状態を避け、ファーストビューだけでページの要点が分かるようにすることが重要です。

BtoBサイトのファーストビュー最適サイズ

ファーストビューのサイズは、ターゲットユーザーが使用するデバイスを考慮して設定する必要があります。

現在、BtoBサイトではPCからのアクセスが主流ですが、スマートフォンからの閲覧も年々増加しています。

PC向けのファーストビューは、横幅1000〜1200px、高さ550〜600px程度が標準です。

ただし、これは画面全体でWebページを見る人は少ないことを考慮した数値で、実際のディスプレイサイズは横幅1366〜1920px、高さ768〜1080pxが主流となっています。

スマートフォン向けは、横幅360〜375px、高さ600〜650px程度が推奨されます。

主流の画面サイズは横幅360〜375px、高さ640〜667pxですが、高解像度ディスプレイに対応するため、画像は2倍、3倍のサイズで用意することも検討してください。

タブレットでは、横幅768px、高さ1080pxまでを目安にします。

重要なのは、あくまで目安であり、自社サイトのアクセス解析データを確認し、実際のユーザー環境に合わせて最適化することです。

GoogleアナリティクスやStatCounterなどのツールを活用して、訪問者の使用デバイスや画面解像度を把握しましょう。

また、レスポンシブデザインを採用し、どのデバイスからでも最適な表示ができるよう設計することが、現代のWebサイトでは必須となっています。

3秒で伝わるファーストビューの作り方

効果的なファーストビューを作るには、体系的なアプローチが必要です。

以下の4つのステップを踏むことで、3秒で訴求力のあるファーストビューを実現できます。

ステップ1:ペルソナとターゲットを明確にする

まず、誰に向けてメッセージを発信するのかを明確にしましょう。

ペルソナとは、サービスにとって最も重要な象徴的な顧客モデルのことです。

年齢、性別、職種、役職、企業規模、抱えている課題、情報収集の方法など、できるだけ具体的に設定してください。

例えば「30代の経営者」ではなく、「従業員30名の製造業を営む35歳の男性経営者で、人材不足と業務効率化に悩んでおり、展示会やWeb検索で情報収集している」というレベルまで詳細に設定します。

ペルソナが明確になれば、どんなメッセージが響くか、どんなビジュアルが自分ごと化を促すかが見えてきますよ。

ステップ2:伝えるべき要素をリストアップする

ファーストビューで伝えたい情報を洗い出しましょう。

ターゲットは誰か、メインメッセージは何か、ユーザーが求める情報は何か(サービス名、料金、特徴など)をリスト化します。

このとき、情報を詰め込みすぎないよう注意してください。

ファーストビューは限られたスペースなので、優先順位をつけて、本当に伝えるべき要素だけに絞り込むことが重要です。

ステップ3:デザインの方向性を決める

「ターゲットが求めるもの」と「ターゲットに与えるもの」に合うキーワードやイメージを抽出し、デザインの方向性を決めます。

信頼感を重視するなら青系の落ち着いた色、革新性を打ち出すなら鮮やかな色、親しみやすさを出すならイラストなど、ブランドイメージと訴求内容に合ったビジュアル表現を選びましょう。

また、視線の流れも設計します。

人の視線は「Z型」や「F型」に流れるため、メインコピー→サブコピー→CTAボタンへと自然に視線が移動するよう配置を工夫してください。

余白を適切に使い、情報を詰め込みすぎないことも、視認性を高めるポイントです。

ステップ4:実装後に効果測定と改善を繰り返す

ファーストビューは、一度作って終わりではありません。

公開後は、Googleアナリティクスやヒートマップツールなどを活用して、直帰率、滞在時間、スクロール率、CTAクリック率などを計測しましょう。

ヒートマップを使えば、どの要素が注目されているか、どこで離脱しているかが視覚的に分かります。

データをもとに仮説を立て、A/Bテストで検証し、PDCAサイクルを回していくことで、継続的にCVRを向上させられますよ。

ファーストビュー改善でCVRを向上させる方法

既存のファーストビューを改善する際には、以下のポイントに注目してください。

まず、メインコピーがベネフィットを伝えられているかを確認しましょう。

機能説明に終始していないか、独自性が表現されているか、2行以内に収まっているかをチェックし、必要に応じて簡潔でわかりやすい表現に書き換えます。

次に、ビジュアルが自分ごと化を促しているかを見直します。

利用シーン、UI、理想の未来のいずれかを適切に表現できているか、ターゲット層が共感できる画像になっているかを確認してください。

CTAボタンも重要な改善ポイントです。

ボタンが目立つ位置にあるか、次のアクションが具体的にイメージできる文言になっているか、マイクロコピーで心理的ハードルを下げているかをチェックし、必要なら配置や文言を変更しましょう。

信頼性・権威性の訴求が不足していないかも確認します。

導入実績、受賞歴、導入企業ロゴなど、第三者からの評価を示す要素を追加することで、訪問者の不安を軽減できます。

さらに、表示速度も改善ポイントです。

PageSpeed Insightsなどのツールで測定し、画像の圧縮、ブラウザキャッシュの活用、不要なソースコードの削減などで高速化を図りましょう。

ページが開くのに時間がかかると、それだけで離脱率が上がってしまいますよ。

BtoBサイトのファーストビュー成功事例

実際の改善事例を見ることで、ファーストビューの重要性がより明確に理解できます。

ある保険会社では、自動車保険の内容を端的に伝えるため、ファーストビューに動画を設置しました。

それまで静止画で商品の魅力を伝えきれていなかったのですが、動画にすることで訴求を強化し、さらにビジュアルの縦幅を短縮してファーストビューに見積もりボタンを表示したところ、新規成約率が102.9%、見積もりページの遷移率が100.2%まで改善したのです。

また、ある銀行では、教育ローンのランディングページで、需要期と閑散期の申し込み数の差が課題でした。

そこで、ファーストビューに利用シーンが分かるビジュアルを配置し、「入学時だけでなく、部活や合宿でも活用できる」という訴求を強化したところ、LPからの申し込み数が116%に増加しました。

これらの事例から分かるのは、ファーストビューの小さな変更でも、CVRに大きな影響を与えるということです。

特に、ターゲットが抱える課題を理解し、それに応える訴求とビジュアルを配置することが、成功の鍵となっています。

まとめ:3秒で伝わるファーストビューがBtoBサイトの成果を左右する

ファーストビューは、BtoBサイトの成果を決定づける最重要エリアです。

訪問者はわずか3秒でサイトの価値を判断し、70%以上がファーストビューの段階で離脱してしまいます。

この3秒間で適切なメッセージを届けられなければ、どれほど優れたコンテンツも読まれることなく終わってしまうのです。

効果的なファーストビューには、6つの必須要素があります。

キャッチコピーでベネフィットと独自性を伝え、サブコピーで自分ごと化と強みを示し、メインビジュアルで直感的な理解を促し、CTAボタンで次のアクションを明確にし、信頼性・権威性の訴求で不安を取り除き、ナビゲーション要素でスムーズな動線を作る。

これらの要素をバランスよく配置することが、CVRを向上させる近道です。

そして、ファーストビューは一度作って終わりではありません。

ヒートマップやアクセス解析ツールでデータを計測し、仮説を立ててA/Bテストを実施し、PDCAサイクルを回し続けることで、継続的に成果を改善していけます。

今すぐ、自社サイトのファーストビューを見直してみてください。

メインコピーはベネフィットを伝えていますか。

ビジュアルは自分ごと化を促していますか。

CTAボタンは目立つ位置にありますか。

信頼性を示す要素は配置されていますか。

一つでも改善できるポイントがあれば、それが大きな成果につながる可能性がありますよ。

3秒で訪問者の心を掴み、BtoBサイトの成果を最大化するために、今日からファーストビューの改善に取り組んでいきましょう。

関連記事