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内製でどれだけ時間がかかる?ホームページ制作の予算と工数を徹底解説!

ホームページ制作を内製化するとき、本当にどれだけの時間とお金がかかるのか

ホームページ制作を外注するか内製化するか、この判断に悩んでいる企業担当者の方は多いのではないでしょうか。

制作会社に依頼すれば50万円から100万円かかるところを、社内で作れば制作ツールの月額利用料だけで済むように見えます。

しかし、本当にそうでしょうか。

実は内製化には、表面上の費用には現れない「見えないコスト」が存在するのです。

この記事では、ホームページを内製化する際に実際にどれだけの時間がかかり、人件費を含めた本当のコストはいくらになるのかを、具体的な数字とともに徹底解説します。

予算計画を立てる際の判断材料として、ぜひ最後までお読みください。

内製化で実際にかかる制作時間:規模別の実態

まず、ホームページを内製で制作する場合、実際にどれだけの時間がかかるのかを見ていきましょう。

小規模サイト(5〜10ページ程度)の制作時間

会社概要やサービス紹介など、基本的な情報を掲載する小規模なホームページの場合、制作経験が少ない担当者で80時間から120時間程度が目安となります。

これは1日2時間の作業で約2〜3ヶ月、フルタイムで取り組めば2〜3週間に相当する時間です。

具体的な工程別の内訳は以下のようになります。

企画・設計フェーズでは、サイトの目的設定や構成の検討、必要なコンテンツの洗い出しに15〜20時間かかります。

デザインフェーズでは、全体のデザイン設計やページごとのレイアウト作成に20〜30時間が必要です。

コーディングフェーズでは、HTMLやCSSでの実装作業に30〜40時間を要します。

コンテンツ制作では、文章作成や画像の準備・編集に15〜20時間かかるでしょう。

そして最後のテスト・調整フェーズで、動作確認や表示チェック、修正作業に10〜15時間が必要となります。

中規模サイト(20〜30ページ程度)の制作時間

採用情報やブログ機能を含む中規模サイトになると、制作時間は150時間から250時間程度に増加します。

これは1日2時間の作業で約4〜6ヶ月、フルタイムなら1〜1.5ヶ月かかる計算です。

ページ数が増えるだけでなく、情報設計の複雑さやデザインの統一性確保、コンテンツのボリュームが増えることで、各工程の時間が大幅に伸びるのです。

大規模サイト(50ページ以上)の制作時間

ECサイトや会員機能を含む大規模なサイトでは、300時間以上、場合によっては500時間を超えることも珍しくありません。

これは1日8時間作業しても2〜3ヶ月以上かかる規模です。

システム開発やデータベース設計、セキュリティ対策など、専門的な知識が必要な作業が増えるため、初心者が対応するのは現実的ではないでしょう。

制作前に必要な学習時間を忘れていませんか

多くの企業が見落としがちなのが、実際の制作作業に入る前の学習時間です。

制作ツールの習得に必要な時間

WordPressなどのCMSツールの基本操作を習得するだけでも、20時間から30時間は必要になります。

管理画面の使い方、テーマやプラグインの選び方、基本的な設定方法など、覚えることは意外と多いのです。

操作マニュアルを読むだけでなく、実際に手を動かして試行錯誤する時間も含まれますよ。

効果的なサイト制作の知識習得

訪問者の心を掴む文章の書き方、写真の選び方と編集技術、色使いやレイアウトの基本、使いやすいナビゲーション設計など、効果的なホームページを作るための知識習得には30時間から50時間が必要です。

デザインセンスは一朝一夕には身につきませんし、ユーザー視点でのサイト設計には経験が求められます。

SEO対策の基礎学習

せっかく作ったホームページも、検索結果で見つけてもらえなければ意味がありません。

検索エンジン最適化の基礎を理解するだけでも、50時間以上の学習時間が必要になります。

キーワードの選び方、タイトルタグやメタディスクリプションの最適化、内部リンク構造の設計、モバイル対応やページ速度の改善など、学ぶべき項目は多岐にわたります。

さらに最近では、ChatGPTなどのAI検索への対応も求められるようになり、学習すべき範囲はさらに広がっているのが現状です。

学習時間を合計すると、100時間から130時間程度が必要となり、これだけで1〜2ヶ月分の工数に相当します。

人件費を含めた本当のコスト計算

では、実際の制作時間と学習時間を金額に換算すると、どのくらいのコストになるのでしょうか。

社員の時間を「お金」に換算する方法

年収400万円の社員を例に計算してみましょう。

年間の労働時間を約2,000時間とすると、時給は2,000円になります。

しかし、これは額面上の話です。

実際には社会保険料や福利厚生費、オフィス維持費など、会社が負担している間接コストを加えると、実質的な人件費は時給2,500円から3,000円程度になることが一般的です。

ここでは控えめに時給2,000円で計算を進めていきます。

小規模サイト制作の実質コスト

制作時間100時間、学習時間100時間として計算すると、合計200時間かかります。

時給2,000円で計算すると、200時間×2,000円で40万円の人件費が発生することになります。

これに制作ツールの利用料(月額2,000円×3ヶ月)を加えると、約40万6,000円です。

「外注より安いじゃないか」と思われるかもしれませんが、話はここで終わりません。

中規模サイト制作の実質コスト

制作時間200時間、学習時間100時間の合計300時間で計算すると、人件費だけで60万円になります。

これに制作ツール代やドメイン・サーバー費用を加えると、約62万円です。

外注の相場である50万円から80万円と比較しても、決して安くない金額になってきました。

見落とされがちな隠れたコスト

さらに重要なのが、数字には表れにくい「隠れたコスト」の存在です。

機会損失という最大のコスト

担当者がホームページ制作に時間を使っている間、本来の業務ができなくなります。

営業担当者なら、その時間で何件の顧客訪問ができたでしょうか。

企画担当者なら、どんな戦略を練れたでしょうか。

例えば、営業担当者が月に10時間をホームページ制作に使った場合を考えてみましょう。

その10時間で通常なら3社訪問でき、そのうち1社から商談に発展する確率が30%だとすると、年間で3〜4件の商談機会を失っている計算になります。

1件の受注で得られる利益が50万円なら、失われた機会の価値は150万円から200万円にもなるのです。

これは極端な例かもしれませんが、本来業務への影響がゼロということはあり得ません。

品質による成果の差

専門知識がないまま作ったホームページと、プロが最適化したホームページでは、検索エンジンからの訪問者数に大きな差が生まれます。

実際のケースでは、プロが手がけたサイトは月間1,000件の訪問があるのに対し、素人が作ったサイトは月間100件程度ということも珍しくありません。

訪問者の1%が問い合わせをするとして、プロ制作なら月10件、素人制作なら月1件の問い合わせです。

問い合わせ1件あたりの価値を10万円として計算すると、年間で1,080万円の差が生まれることになります。

この差額を考えれば、仮に外注が200万円だったとしても、十分に回収できる投資と言えるでしょう。

運用にかかる継続的な時間とコスト

ホームページは作って終わりではありません。

日常的な運用作業の工数

情報の更新、新しいページの追加、問い合わせへの対応、デザインの微調整、検索順位のチェックと改善など、運用作業には月に5時間から10時間がかかります。

年間で考えると60時間から120時間、金額にして12万円から24万円相当の人件費が継続的に発生するのです。

3年間の総コスト試算

小規模サイトの場合で3年間運用すると仮定しましょう。

初年度の制作と学習で40万円、2年目と3年目の運用で各20万円として、合計80万円になります。

制作ツールの利用料を月額2,000円として3年分の7万2,000円を加えると、総額は87万2,000円です。

一方、外注の場合は初期費用が50万円から80万円、運用保守が月額1万円から3万円程度で、3年間で総額86万円から188万円といったところです。

安い価格帯で比較すれば、内製化との差はほとんどなくなってしまいます。

そして機会損失や品質による成果の差を考慮すると、実質的なコスト差はさらに広がる可能性が高いのです。

内製化と外注の判断基準

では、どのような場合に内製化を選び、どのような場合に外注すべきなのでしょうか。

内製化が向いているケース

頻繁な更新が必要で、その都度外注するとコストがかさむ場合は内製化が有効です。

既にWeb制作のスキルを持つ人材が社内にいる場合も、内製化の成功確率が高まります。

長期的に社内にノウハウを蓄積したい戦略的な意図がある場合や、デザインや機能が比較的シンプルで、制作ハードルが低い場合も内製化向きと言えるでしょう。

外注が向いているケース

初めてのホームページ制作で、社内にWeb制作の経験者がいない場合は外注を検討すべきです。

短期間で確実に成果を出したい場合や、SEO対策やデザインクオリティを重視する場合も、専門家の力を借りる方が賢明でしょう。

担当者のリソースが限られており、本業への影響を最小限にしたい場合も外注が適しています。

ハイブリッド型という選択肢

初期制作は外注し、日常的な更新作業のみ内製化するという方法もあります。

プロによる基礎構築で品質を確保しつつ、ランニングコストを抑えられる現実的な選択肢です。

この場合、外注先に「更新しやすい仕組み」を作ってもらうことが重要になります。

内製化を成功させるための実践的なポイント

もし内製化を選択する場合、どのように進めれば効率的でしょうか。

適切なツール選定

初心者でも扱いやすいCMSツールを選びましょう。

WordPressは情報が豊富で、トラブル時の解決策も見つけやすいのでおすすめです。

ノーコードツールやローコードツールを活用すれば、プログラミング知識がなくても一定のクオリティのサイトが作れます。

明確な役割分担

プロジェクトマネージャー、デザイナー、コーダー、コンテンツライターなど、明確に役割を分担することで効率が上がります。

一人ですべてを担当すると時間がかかりすぎるため、チーム体制を組むことを検討してください。

段階的なアプローチ

最初から完璧を目指さず、最小限の機能でスタートし、徐々に改善していく方法が現実的です。

まずは基本的な会社情報とサービス紹介だけを公開し、ブログやお客様の声などは後から追加していくといった段階的なアプローチを取りましょう。

外部リソースの活用

デザインテンプレートや写真素材サイト、コーディングのテンプレートなど、無料や低価格で利用できる外部リソースを積極的に活用することで、制作時間を大幅に短縮できます。

すべてをゼロから作る必要はありません。

上長への予算申請で使える説得材料

内製化のコストを正しく理解したうえで、外注を検討する際に上長を説得する方法を考えてみましょう。

人件費換算で説明する

「制作ツール代は月2,000円ですが、私の人件費を加えると実質的には月5万円以上のコストがかかります。3年間では180万円程度になる見込みです。一方、外注なら初期費用70万円、運用費月2万円で3年間142万円です」

このように具体的な数字で説明すれば、上長も納得しやすくなるでしょう。

機会損失を含めた総合的な判断

「制作作業に月20時間を費やすと、本来の営業活動に使える時間が減り、年間で約3件の商談機会を失う計算になります。1件あたりの受注額が50万円とすると、150万円の機会損失です」

このように、目に見えないコストも含めて説明することで、外注の価値が理解されやすくなります。

品質による成果の違いを強調

「プロが最適化したサイトは月間の問い合わせが10件程度見込めますが、内製の場合は1〜2件程度になる可能性があります。この差は年間で数百万円の売上差につながります」

成果の違いを数値化して示すことで、投資対効果が明確になります。

まとめ:本当のコストを見極めて賢い選択を

ホームページ制作を内製化する場合、小規模サイトでも制作時間80〜120時間、学習時間100〜130時間、合計200時間程度が必要です。

時給2,000円で計算すると、人件費だけで40万円以上かかることになります。

さらに運用費用を含めた3年間の総コストは87万円程度となり、これに機会損失や品質による成果の差を加えると、実質的なコストは100万円を大きく超える可能性があります。

一方、外注の場合は3年間で86万円から188万円程度ですが、プロによる最適化で月間の問い合わせ数が増えれば、投資は十分に回収できるでしょう。

重要なのは、単純な支出額の比較ではなく、投資に対してどれだけのリターンが得られるかという視点ですよ。

安く済ませることと、効果的に投資することは、まったく異なります。

内製化を検討する際は、制作ツール代だけでなく、人件費、学習時間、機会損失、品質リスクなどの「見えないコスト」を必ず計算に入れましょう。

そのうえで、自社の状況やリソース、目的に応じて、内製化、外注、あるいはハイブリッド型のどれが最適かを判断してください。

ホームページは企業の顔であり、重要なマーケティングツールです。

目先のコスト削減だけにとらわれず、長期的な視点で投資対効果を考えることが、成功への近道となるでしょう。

まずは社内の人材やリソースを正確に把握し、3年間の総コストを試算してみることから始めてみませんか。

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