保守・運用費って何をやる?バックアップ・更新・監視の中身を完全解説!
保守・運用費って何をするもの?ホームページを守る大切な仕事
ホームページを作ったら終わり、というわけにはいかないんですよ。
公開した後も、サイトを安全に、そして快適に使い続けるためには「保守・運用費」が必要になります。
でも実際、「保守・運用費って何にお金がかかっているの?」「具体的にどんな作業をしているの?」と疑問に思う方も多いのではないでしょうか。
この記事では、保守・運用費の中身を、バックアップ、更新、監視といった具体的な作業内容とともに、分かりやすく解説していきます。
費用の相場や、なぜ保守運用が必要なのかも併せてお伝えしますので、ぜひ最後までご覧くださいね。
保守と運用の違いとは?まずは基本を理解しましょう
保守・運用費について理解するには、まず「保守」と「運用」の違いを知っておくことが大切ですよ。
この2つはセットで語られることが多いのですが、実は役割が異なります。
保守とは「トラブルを防ぎ、正常に動かし続けること」
保守とは、ホームページやシステムを問題なく使い続けられるようにするための作業です。
具体的には、予期せぬ障害が発生した際の復旧作業はもちろん、トラブルや障害を起こさないための予防的な対処が含まれます。
サーバーやドメインの管理、SSL証明書の更新、CMSのバージョンアップ、セキュリティ対策、データベースの最適化、バックアップと復旧体制の構築などが代表的な保守作業ですよ。
つまり保守は、「家の点検や修理」のようなイメージです。
運用とは「目的を果たすために価値を高めること」
一方、運用とは、ホームページやシステムが事業における役割や目的を果たすために、提供価値の向上に必要な施策を行うことです。
ホームページの情報更新作業、ユーザーサポート、問い合わせ対応、コンテンツの追加や修正、アクセス解析、SEO対策などが該当します。
マーケティングの観点では、Webサイトのコンサルティングも運用に含まれることがありますよ。
運用は、「家をより快適に住みやすくする工夫」といったイメージですね。
保守・運用費の中身を大公開!具体的な10の作業内容
それでは、保守・運用費として何にお金が使われているのか、具体的な作業内容を見ていきましょう。
1. 監視・不具合時の対応
ホームページを運用していると、「サイトが正しく表示されない」「メールの送受信ができない」「システムがダウンした」など、突然のトラブルに見舞われることがあります。
これらの不具合にすぐに対応しないと、機会損失や顧客からの信頼を失うことにもなりかねません。
そこで、各種不具合を24時間365日監視して、緊急時に迅速な対応ができるよう備えておくことが大切なんですよ。
監視ツールを使ってサーバーの稼働状況やWebサイトの表示状態を常にチェックし、異常を検知したらすぐにアラートが届くようにしています。
2. ドメイン・サーバーの管理
ドメインはインターネット上の住所のようなもので、Webサイトに必要不可欠です。
ドメインには「.com」「.co.jp」「.org」などさまざまな種類があり、一般的には年間契約で料金を支払います。
この支払いと更新作業を忘れてしまうと、Webサイトは公開できなくなってしまうため注意が必要ですよ。
サーバーもWebサイトを立ち上げるのに必要不可欠で、Webサイト公開のためのソフトウェア・データの保管や、ユーザーからの要求に対して情報や処理結果を提供する役割を果たします。
ドメインと同様に契約期間が決まっており、支払いと更新作業が必要です。
3. SSL証明書の更新作業
SSL証明書は、インターネット上でデータを暗号化して送受信する仕組みを提供するものです。
SSL化されていないWebサイトは、「なりすまし」によりログインIDやパスワードなどが盗まれたり盗聴されたりする危険性があります。
特に、クレジットカード番号など個人情報や機密情報を取り扱う場合、Webサイトのセキュリティを守るために欠かせません。
SSL証明書には有効期限があるため、Webサイト公開後も定期的な更新作業が必要になりますよ。
更新を忘れると、ブラウザに「このサイトは安全ではありません」という警告が表示され、ユーザーの信頼を失ってしまいます。
4. バックアップとデータ管理
ホームページのデータは、トラブルが発生したときに迅速に復旧できるように、定期的にバックアップを取ることが重要です。
Webサイトでは、画像やテキストなどさまざまなデータ・ファイルが使用されます。
これらはWebサイト公開後に不要になるわけではなく、修正・更新などの作業時に必要となるため適切に管理しなければなりません。
また、過去のデータは、分析や調査の際に必要になるケースもありますよ。
そこで、重要なデータ・ファイルのバックアップが取れているかを確認し、ハードウェアの故障や人為的ミスで消失しないよう備えます。
バックアップは一度取れば終わりではなく、定期的に更新する必要があるんです。
5. CMSのアップデート管理
CMS(Contents Management System)とは、Webサイトのコンテンツを一元的に保存・管理するシステムのことです。
代表的なCMSにWordPressがありますが、これらのシステムは定期的にバージョンアップが行われます。
CMSの仕様変更やバージョンアップが行われる際に、稀に互換性の不具合などが生じるケースもあるため、専門知識を持った担当者による適切な管理が必要ですよ。
プラグインやテーマも同様に更新が必要で、古いバージョンのまま放置するとセキュリティの脆弱性につながる危険があります。
6. セキュリティ対策
近年、サーバー・CMSの脆弱性やセキュリティホールを狙った攻撃が増えています。
サイト改ざんや情報漏洩などの被害は、企業の信頼や存続そのものにも大きな影響を与える重大問題です。
そこで、定期的にセキュリティ対策を行い、年々巧妙化するサイバー攻撃に備えておかなければなりません。
ファイアウォールの設定、不正アクセスの検知、マルウェアスキャン、脆弱性診断など、多層的なセキュリティ対策が求められますよ。
7. 最新ブラウザ・端末への対応
Webサイトを閲覧するためのブラウザには、「Google Chrome」「Microsoft Edge」「Safari」などがあり、Webサイトの制作時には、これらのブラウザでWebサイトがきちんと表示されるか確認します。
また、パソコン・スマホ・タブレットなど各端末でも、Webサイトの表示が崩れていないか確認することが必要です。
しかし、Webサイト公開後も、それぞれのブラウザが定期的にバージョンアップを行い、パソコン・スマホ・タブレットなどの端末も次々に最新機種が登場します。
そこで、最新のブラウザと端末を使って、Webサイトが正常に表示されるかを確認する作業が発生しますよ。
8. コンテンツの更新・修正作業
Webサイトのコンテンツは、随時更新・修正し運用していく必要があります。
コンテンツをそのまま放置しているWebサイトは、アクセス数のアップが期待できないだけでなく、検索エンジンからの評価も下げてしまうリスクがあります。
そこで、テキスト・写真・画像の修正・削除・追加および掲載情報の更新を行い、Webサイト内の情報を常に最新の状態にしておくことが大切です。
また、近年ではコンテンツの更新頻度よりも、コンテンツの質が重要視されていますよ。
9. アクセス解析・分析
Webサイトの目的には、ブランディング・新規顧客の獲得・商品やサービスの販売・優秀な人材の雇用など、さまざまなものがあります。
Webサイト公開後に、これらの目的が達成できているかを確認し、課題の分析や改善につなげることが大切です。
そこで、アクセス解析を行いユーザーのニーズを把握し、改善後の結果をさらに分析してよりよいWebサイトへ育てていきます。
Googleアナリティクスなどのアクセス解析ツールを使って、課題を数値化して分析しながら細かい改善を繰り返すのに効果的ですよ。
10. 外部サービスとの連携管理
近年ではWebサイトとInstagram・TwitterなどのSNSを連携して運用する企業が増えています。
SNSの仕様変更やバージョンアップに素早く対応しないと、リアルタイムで発信したい情報が表示されないなどトラブルが生じるケースもあり、機会損失につながるリスクがあります。
また、決済システムや予約システムなど外部APIとの連携も定期的なメンテナンスが必要になりますよ。
保守・運用費の相場はいくら?価格帯別に解説
ホームページの保守・運用費は、対応範囲や依頼先により異なりますが、一般的な費用の目安をご紹介しますね。
月額5,000円未満の場合
サーバー・ドメイン・SSL証明書を自社で更新・管理する際の最低限の費用です。
自社で管理できる体制がある場合は、この価格帯で運用できることもあります。
ただし、トラブル時の対応や専門的な作業は含まれないため、注意が必要ですよ。
月額5,000円〜2万円の場合
最低限の更新・管理に加えて、コンテンツ面でのサポートも依頼したい場合の費用相場です。
月数回のコンテンツ更新に加え、不具合の問い合わせにも対応してもらえるケースがあります。
小規模なホームページであれば、この価格帯でも十分なサポートが受けられますよ。
月額2万円〜5万円の場合
ホームページの包括的な保守業務を依頼したい場合の費用相場です。
CMSのバージョンアップ、セキュリティ対策、定期的なバックアップ、アクセス解析レポートなど、より手厚いサポートが受けられます。
中規模のコーポレートサイトやECサイトに適した価格帯ですね。
月額5万円以上の場合
大規模サイトや高度なセキュリティが求められるサイト、24時間365日の監視体制が必要な場合は、この価格帯になります。
専任の担当者が付いたり、緊急時の即時対応が保証されたりするケースが多いですよ。
また、システム開発費の約15%が年間の保守費用の目安とされています。
例えば、400万円かけてシステム開発をした場合、年間60万円(月額5万円)が保守費用の目安となります。
保守・運用を怠るとどうなる?よくあるトラブル事例
保守・運用費を削減したり、優先度を下げたりすると、どのような問題が発生するのでしょうか。
実際に起きたトラブル事例を見ていきましょう。
Webサイトが突然表示されなくなる
ドメインやSSL証明書の更新を忘れてしまい、Webサイトが突然表示されなくなるケースがあります。
訪問者には「このサイトにアクセスできません」というエラーメッセージが表示され、ビジネスチャンスを逃してしまいます。
復旧には時間がかかり、その間の機会損失は計り知れませんよ。
セキュリティ事故による情報漏洩
CMSやプラグインの更新を怠ったことで、セキュリティホールから不正アクセスを受けるケースが増えています。
顧客情報が流出したり、サイトが改ざんされたりすると、企業の信頼は大きく損なわれます。
復旧対応にかかる費用だけでなく、損害賠償や信用回復にも多額のコストがかかってしまいますよ。
バックアップがなく復旧できない
定期的なバックアップを取っていなかったために、サーバーの障害時にデータを完全に失ってしまうケースもあります。
Webサイトを一から作り直さなければならず、膨大な時間とコストがかかります。
バックアップは「転ばぬ先の杖」として、必ず定期的に取っておきましょう。
ブラウザの更新で表示が崩れる
最新のブラウザやスマートフォンでWebサイトが正しく表示されなくなるケースもあります。
特定のブラウザでレイアウトが崩れたり、ボタンが機能しなくなったりすると、ユーザーの離脱率が高まります。
定期的な動作確認と対応が必要ですよ。
保守・運用を依頼する際のポイント
保守・運用を外部に依頼する場合、どのような点に注意すればよいのでしょうか。
依頼する作業の範囲を明確にする
保守・運用と一口に言っても、その内容は多岐にわたります。
どこまでを依頼するのか、何が含まれていて何が含まれていないのかを明確にしましょう。
見積もりの段階で詳細な作業内容を確認し、後々のトラブルを防ぐことが大切ですよ。
緊急時の対応体制を確認する
サイトがダウンしたり、セキュリティ事故が発生したりした際に、どのくらいのスピードで対応してもらえるのかを確認しましょう。
24時間365日対応なのか、営業時間内のみなのか、休日対応は可能なのかなど、具体的な対応体制を事前に把握しておくことが重要です。
自社のサービスへの理解度を確認する
保守・運用を依頼する際は、自社の業界やサービスへの理解が深いパートナーを選ぶことが大切です。
業界特有の課題や規制、顧客ニーズを理解している制作会社なら、より的確な提案やサポートが期待できますよ。
実績や事例を確認して、同業界での経験があるかどうかをチェックしましょう。
レポートや報告の頻度を決める
毎月どのような作業を行ったのか、どんな改善が必要なのかをレポートしてもらう仕組みを作りましょう。
定期的な報告があることで、保守・運用費の使われ方が可視化され、費用対効果も判断しやすくなります。
透明性の高いコミュニケーションを取れるパートナーを選びたいですね。
制作時から保守運用も視野に入れる
理想的なのは、ホームページ制作時から保守・運用も視野に入れて計画することです。
制作と保守を同じ会社に依頼すれば、システムの構造を熟知しているため、トラブル時の対応もスムーズになります。
長期的なパートナーシップを築けるかどうかも、選定のポイントになりますよ。
まとめ:保守・運用費は「安心」への投資です
保守・運用費とは、ホームページを安全に、そして効果的に使い続けるために必要な投資なんですよ。
バックアップ、更新、監視といった地道な作業の積み重ねが、あなたのWebサイトを守り、ビジネスの成長を支えています。
「作って終わり」ではなく、「作ってからが始まり」という意識を持つことが大切です。
保守・運用費を惜しんだために、後から大きなトラブルやコストが発生してしまっては本末転倒ですよね。
まずは、現在のホームページがどのような保守・運用体制になっているのか、一度確認してみてはいかがでしょうか。
適切な保守・運用を行うことで、Webサイトは長期的にあなたのビジネスパートナーとして活躍し続けてくれますよ。
この記事が、保守・運用費への理解を深めるきっかけになれば幸いです。