納品後のサポート体制を徹底解説!問い合わせ・修正・保守・運用の違いと費用相場
ホームページを制作会社に依頼して納品された後、「サポート」という言葉はよく耳にしますが、実際に何をしてくれるのか曖昧なまま契約していませんか。
納品後のサポートには、問い合わせ対応、修正依頼、保守管理、運用支援など、さまざまな業務が含まれています。
これらを混同したまま契約すると、「こんなこともやってくれると思っていたのに」というトラブルが発生しやすくなります。
実際に、Web制作会社に勤める方からも「納品後にアフターサポートを当たり前のように依頼されて困っている」という声が上がっているほどです。
本記事では、納品後のサポート体制について、問い合わせ対応・修正依頼・保守管理・運用支援の違いを明確にし、それぞれで何をやるのか具体的に解説します。
費用相場や契約時の注意点も含めて、ホームページ担当者が知っておくべき情報をすべてお伝えしますよ。
納品後サポートの全体像を理解しよう
ホームページは納品されて終わりではありません。
むしろ、公開後からが本当のスタートといえます。
納品後のサポートは、大きく分けて4つの領域に分類できます。
それが「問い合わせ対応」「修正依頼」「保守管理」「運用支援」です。
これらは目的も内容も異なる業務であり、制作会社によって提供範囲が大きく変わります。
まずはこの4つの違いを正確に理解することが重要です。
多くの制作会社では、これらを明確に区別せず「サポート」という言葉でひとくくりにしている場合もあります。
そのため、契約前にどこまでがサポートに含まれるのか、有償なのか無償なのかをしっかり確認する必要があります。
問い合わせ対応とは何をするサポートなのか
問い合わせ対応とは、ホームページ運用中に発生する疑問や不明点について、制作会社に質問できるサポートです。
納品直後は特に、管理画面の使い方やコンテンツの更新方法など、わからないことが多く出てきます。
問い合わせ対応の具体的な内容
問い合わせ対応で対応してもらえる主な内容は以下の通りです。
CMSの操作方法に関する質問、たとえばWordPressの記事投稿方法やカテゴリー設定の仕方などを教えてもらえます。
管理画面へのログイン方法やパスワードを忘れた際の再設定サポートも含まれます。
サーバーやドメインの設定に関する技術的な質問にも答えてくれることが多いです。
「この機能は実装できるか」「こういう変更は可能か」といった仕様に関する相談も問い合わせ対応の範囲です。
簡単な操作説明や助言については、多くの制作会社が無償で対応してくれます。
問い合わせ対応の対応時間と範囲
問い合わせ対応には、通常「期間」と「範囲」が設定されています。
納品後1ヶ月間、あるいは3ヶ月間といった期限付きで無償対応を提供する会社が一般的です。
対応時間も平日9時〜18時など、営業時間内に限定されることがほとんどです。
また、問い合わせ回数に制限を設けている場合もあります。
月5回まで無償、それ以上は有償といった形です。
電話対応かメール対応か、レスポンス時間の目安はどれくらいかも確認しておきましょう。
緊急時の対応については別途有償サポートが必要になるケースもあります。
問い合わせでは対応できないこと
問い合わせ対応はあくまで「質問に答える」「操作方法を教える」ことが中心です。
実際の作業を代行してもらうことは含まれません。
たとえば「このページのテキストを変更してほしい」というのは問い合わせではなく修正依頼になります。
新規ページの追加やデザイン変更なども問い合わせの範囲外です。
トラブルシューティングについても、原因調査までは問い合わせ対応で行えますが、実際の修正作業は別料金になることが多いです。
線引きが曖昧な場合もあるので、契約書で明確にしておくことが大切ですよ。
修正依頼で対応してもらえる作業範囲
修正依頼とは、ホームページの内容を変更・追加・削除する作業を制作会社に依頼することです。
問い合わせ対応と異なり、実際に作業を行ってもらうサービスになります。
修正依頼の具体的な作業内容
修正依頼で対応してもらえる作業は多岐にわたります。
テキストの修正や文言の変更は最も基本的な修正依頼です。
画像の差し替えや新規画像の追加も頻繁に発生する依頼内容です。
リンクの修正や新規リンクの設置も対応してもらえます。
お知らせ記事の投稿代行や既存記事の更新も修正依頼の範囲です。
PDFファイルのアップロードや資料の掲載も含まれます。
営業時間や住所、電話番号などの基本情報の変更も修正依頼で対応します。
SNSアイコンの追加やリンク先の変更なども可能です。
修正依頼の料金体系
修正依頼は基本的に有償サービスです。
料金体系は大きく分けて2つあります。
ひとつは作業ごとに料金を設定する「スポット料金」です。
テキスト修正1箇所あたり1,000円〜3,000円、画像差し替え1枚あたり2,000円〜5,000円といった形です。
もうひとつは月額定額制で、一定回数までの修正を含むプランです。
月額5,000円〜20,000円で、月3回〜10回程度の修正に対応するサービスが多いです。
修正の頻度が高い場合は、月額制の方がコストを抑えられます。
スポット対応の場合、見積もりから作業完了まで数日〜1週間程度かかることが一般的です。
緊急対応を希望する場合は、別途特急料金が発生することもあります。
修正依頼時の注意点
修正依頼をスムーズに進めるためには、依頼方法も重要です。
修正箇所を明確に伝えることで、認識のズレを防げます。
「トップページの3番目の段落を◯◯に変更」といった具体的な指示が理想的です。
修正内容をまとめた依頼書を作成するのも効果的な方法です。
画像を添付して「この部分をこう変更したい」と視覚的に伝えるとわかりやすいです。
納品後すぐの軽微な修正は無償対応してくれる会社もあります。
ただし「軽微な修正」の定義は会社によって異なるため、事前確認が必要です。
デザインの大幅な変更や新規ページの追加は、別途見積もりが必要になります。
保守管理で守られるホームページの安全性
保守管理とは、ホームページが安全かつ安定して稼働し続けるための技術的なメンテナンスです。
見た目は何も変わりませんが、裏側で重要な作業が行われています。
保守管理の主な作業内容
保守管理には、目に見えない重要な業務が多く含まれています。
サーバーの監視と障害対応は保守管理の中核です。
サーバーがダウンした際の復旧作業や、アクセス集中時の対応を行います。
ドメインの更新管理も保守業務の一部です。
ドメインの有効期限を管理し、更新手続きを代行してくれます。
期限切れでホームページが見られなくなる事態を防げます。
SSL証明書の更新管理も重要な保守業務です。
SSL証明書が切れると「この接続は保護されていません」という警告が表示されてしまいます。
CMSのアップデート対応も保守管理に含まれます。
WordPressのバージョンアップやプラグインの更新を定期的に行います。
セキュリティパッチの適用により、脆弱性を修正します。
セキュリティ対策の重要性
保守管理で最も重要なのがセキュリティ対策です。
近年、中小企業のWebサイトを狙ったサイバー攻撃が増加しています。
不正アクセスによるサイト改ざんやスパム記事の投稿といった被害が報告されています。
古いシステムを使い続けることは、セキュリティリスクを高めます。
定期的なアップデートを怠ると、脆弱性を突かれる可能性が高まります。
保守管理では、セキュリティチェックを定期的に実施します。
不審なアクセスがないか、マルウェアに感染していないかを監視します。
バックアップの定期取得も保守管理の重要な要素です。
万が一トラブルが発生しても、バックアップから復旧できるようにします。
データベースとファイル両方のバックアップを複数の場所に保管することが推奨されます。
保守管理の費用相場
保守管理の費用は、サービス内容によって大きく変わります。
一般的な相場は月額2万円〜10万円程度です。
基本的な保守のみであれば月額2万円〜3万円で対応可能です。
サーバー監視やセキュリティ対策を含む場合は月額5万円〜10万円が目安です。
サーバー費用とドメイン費用は別途必要になることが多いです。
サーバー費用は月額3,000円〜30,000円、ドメイン費用は年間1,000円〜8,000円程度です。
SSL証明書の費用も年間5万円〜10万円かかる場合があります。
無料のSSL証明書を使用すれば、この費用は削減できます。
保守管理を怠ると、セキュリティインシデント発生時の復旧費用が高額になります。
予防的な保守に投資することで、長期的にはコストを抑えられますよ。
運用支援で実現するホームページの成果向上
運用支援とは、ホームページを活用してビジネス成果を出すための戦略的なサポートです。
問い合わせ対応、修正依頼、保守管理とは目的が大きく異なります。
運用支援の具体的な業務内容
運用支援では、ホームページの目的達成に向けた総合的な支援を行います。
アクセス解析によるサイト分析が運用支援の基本です。
Googleアナリティクスなどのデータを分析し、問題点を洗い出します。
どのページの離脱率が高いか、どこから流入が多いかなどを把握します。
改善施策の立案と実行も運用支援の重要な要素です。
分析結果をもとに、コンバージョン率向上のための具体的な施策を提案します。
「このページにバナーを追加すべき」「導線設計を変更しよう」といった戦略を立てます。
SEO対策の実施も運用支援に含まれます。
キーワード調査や内部対策、コンテンツ最適化を行います。
検索順位を向上させ、自然検索からの流入を増やします。
Web広告の運用代行も運用支援のひとつです。
リスティング広告やSNS広告の出稿と運用を代行します。
広告費の20〜30%を運用手数料として支払う形が一般的です。
コンテンツ制作支援も運用支援の範囲です。
ブログ記事の企画や執筆、写真撮影なども含まれます。
定期的なコンテンツ更新により、SEO効果とユーザーエンゲージメントを高めます。
運用支援の費用相場
運用支援は、納品後サポートの中で最も費用がかかるサービスです。
Webコンサルティングとして月額10万円〜50万円が相場です。
SEO対策を含む場合は月額5万円〜30万円が追加でかかります。
Web広告運用は広告費の20〜30%が運用手数料になります。
月額広告費が30万円なら、運用手数料は6万円〜9万円です。
コンテンツ更新代行は月額5万円〜20万円程度です。
すべてを合わせると、月額20万円〜100万円の費用がかかる計算です。
一見高額に感じますが、それ以上の成果が得られるからこそ成り立つサービスです。
ホームページからの顧客獲得が事業の生命線になっている企業にとっては、投資対効果の高い選択肢といえます。
運用支援が必要なケース
すべての企業に運用支援が必要というわけではありません。
ホームページからの問い合わせや売上が事業の中心である場合は、運用支援の導入を検討すべきです。
競合が多い業界で差別化を図りたい場合も有効です。
社内にWeb担当者がいない、あるいはリソースが不足している場合も運用支援が役立ちます。
逆に、ホームページが名刺代わり程度の役割であれば、運用支援まで必要ないかもしれません。
自社の状況と目的に応じて、必要なサポートを選択しましょう。
自社対応と外注、どちらを選ぶべきか
納品後のサポートを自社で行うか、制作会社に外注するかは重要な判断です。
それぞれにメリットとデメリットがあります。
自社で対応するメリットとデメリット
自社対応の最大のメリットは、外注費用を削減できることです。
簡単な修正であれば、社内で対応することでコストを抑えられます。
また、スピーディーな対応が可能です。
外部に依頼する手間や待ち時間がなく、すぐに対応できます。
社内にノウハウが蓄積されるのもメリットです。
一方、デメリットも無視できません。
専門知識を持つ担当者の確保が必要です。
人材採用や教育にコストがかかります。
技術の進化に追いつくための継続的な学習も求められます。
セキュリティ対策やサーバー管理など、専門性の高い業務は社内対応が難しい場合もあります。
トラブル発生時に適切な対処ができないリスクもあります。
実際には、想定以上の人件費や教育費がかかるケースが多いです。
制作会社に外注するメリットとデメリット
外注の最大のメリットは、専門家による高品質なサポートを受けられることです。
最新の技術やトレンドに精通したプロが対応してくれます。
セキュリティ面でも安心です。
社内リソースを本業に集中させられるのも大きな利点です。
Web運用に時間を取られず、コア業務に専念できます。
迅速な対応やトラブル時の即時復旧も期待できます。
デメリットは、継続的な費用が発生することです。
月額数万円〜数十万円のコストを計上する必要があります。
また、外部とのやり取りに時間がかかる場合もあります。
認識のズレが生じないよう、綿密なコミュニケーションが求められます。
制作会社の対応品質に依存するため、パートナー選びが重要になります。
ハイブリッド型という選択肢
自社対応と外注の中間として、ハイブリッド型も選択肢です。
日常的な簡単な更新は自社で行い、技術的な保守や専門的な運用支援は外注します。
この方法なら、コストを抑えながら安全性と効果性も確保できます。
たとえば、テキストや画像の差し替えは社内で対応し、サーバー管理やセキュリティ対策は外注するといった形です。
自社の能力とリソースを見極めて、最適なバランスを見つけましょう。
サポート契約時に確認すべき7つのポイント
納品後のサポート契約を結ぶ際には、トラブルを避けるために確認すべきポイントがあります。
1. サポート範囲の明確化
どこまでがサポートに含まれるのかを明確にしましょう。
問い合わせ対応、修正依頼、保守管理、運用支援のどれが含まれるのか確認します。
無償対応の範囲と有償対応の範囲も明記してもらいます。
曖昧な表現は後々トラブルの元になります。
2. 対応期間と時間
サポート期間はいつまでか、更新の有無はどうなっているかを確認します。
納品後1ヶ月間無償、その後は有償といった形が一般的です。
対応時間も重要です。
平日9時〜18時のみなのか、緊急時は24時間対応可能なのかを明らかにします。
3. レスポンスタイム
問い合わせや依頼に対する回答時間の目安を確認しましょう。
メールなら24時間以内に返信、電話なら即時対応など、具体的な基準があると安心です。
緊急度の高い案件とそうでない案件で対応時間が異なる場合もあります。
4. 費用体系の透明性
料金体系を詳細に確認します。
月額固定なのか、作業量に応じた従量制なのか、スポット対応なのかを明らかにします。
追加料金が発生するケースについても事前に把握しておきましょう。
見積もり段階で隠れた費用がないか確認することが重要です。
5. 所有権と著作権の帰属
ホームページのデータやドメイン、サーバーの所有権がどこにあるのか確認します。
制作会社側に所有権がある場合、契約終了時にデータを持ち出せない可能性があります。
著作権についても、自社に帰属するのか制作会社に残るのかを明確にしておきます。
6. 契約解除条件
途中解約が可能か、その場合のペナルティはあるのかを確認します。
最低契約期間が設定されている場合もあります。
解約時のデータ引き渡し方法についても取り決めておきましょう。
7. 制作会社の実績と対応品質
契約前に、制作会社の実績や評判を調べることも大切です。
他のクライアントの事例や口コミを参考にします。
実際に担当者とコミュニケーションを取り、対応の質を見極めましょう。
レスポンスの速さや提案力、説明のわかりやすさなどをチェックします。
よくある納品後サポートのトラブル事例
実際に発生しがちなトラブル事例を知っておくことで、予防策を講じられます。
トラブル事例1:無償サポートの範囲認識の違い
「納品後1ヶ月間は無償サポート」と聞いていたが、実際は問い合わせ対応のみで、修正依頼は別料金だった。
このような認識のズレは非常に多いトラブルです。
契約書に具体的な作業内容を明記してもらうことで防げます。
トラブル事例2:サポート終了後の対応拒否
無償サポート期間終了後に修正依頼をしたら、高額な見積もりを提示された。
サポート期間終了後の料金体系を事前に確認しておくことが重要です。
複数の制作会社から見積もりを取り、相場を把握しておきましょう。
トラブル事例3:レスポンスの遅延
問い合わせをしても返信が遅く、1週間経っても対応されない。
契約時にレスポンスタイムを明記してもらい、守られない場合のペナルティも設定しておくと良いです。
トラブル事例4:所有権問題
契約終了後、ホームページのデータを引き渡してもらえなかった。
所有権が制作会社側にあることが後からわかり、移管に追加費用が発生した。
最初の契約段階で所有権の帰属を明確にしておくことが必須です。
納品後サポートを最大限活用するコツ
サポートを効果的に活用するためのポイントもあります。
定期的なコミュニケーション
制作会社と定期的に連絡を取り合うことで、信頼関係が築けます。
月に1回程度、現状報告や今後の方針について話し合う場を設けましょう。
明確な依頼と情報提供
修正依頼や問い合わせをする際は、できるだけ具体的に伝えます。
必要な情報をまとめて提供することで、作業がスムーズに進みます。
優先順位の明示
複数の依頼を同時にする場合は、優先順位を明確にします。
急ぎの案件とそうでない案件を区別することで、制作会社も対応しやすくなります。
フィードバックの提供
対応結果について、良かった点や改善してほしい点をフィードバックしましょう。
相互理解が深まり、より良いサポート関係が構築できます。
まとめ:納品後サポートを味方につけて成果を出そう
ホームページの納品後サポートには、問い合わせ対応、修正依頼、保守管理、運用支援という4つの領域があります。
それぞれ目的も内容も費用も大きく異なるため、自社に必要なサポートを見極めることが重要です。
問い合わせ対応は操作方法や疑問に答えるサポートで、多くの場合納品後一定期間は無償です。
修正依頼はホームページの内容を実際に変更してもらう作業で、基本的に有償サービスになります。
保守管理はサーバーやセキュリティなど技術的なメンテナンスで、安全な運用に不可欠です。
運用支援はビジネス成果を出すための戦略的サポートで、最も費用がかかりますが効果も高いサービスです。
自社で対応するか外注するかは、リソースと専門性を考慮して判断しましょう。
契約時には、サポート範囲、対応時間、費用体系、所有権などを明確にすることがトラブル回避の鍵です。
納品後のサポート体制をしっかり整えることで、ホームページは強力なビジネスツールになりますよ。
制作会社と良好な関係を築き、継続的に改善を重ねていくことで、確実に成果は向上します。
まずは現在のサポート契約を見直し、不足している部分がないか確認してみましょう。