旧URLからのSEO引き継ぎ完全ガイド!301リダイレクトで検索順位を守る方法
旧URLからのSEO引き継ぎとは?なぜ重要なのか
旧URLからのSEO引き継ぎとは、Webサイトのリニューアルやドメイン変更に伴ってURLが変更される際に、これまで蓄積してきた検索エンジンからの評価を新しいURLに移転する重要な作業です。
長年運営してきたWebサイトには、被リンクや検索順位、ドメインオーソリティなど、貴重なSEO資産が蓄積されていますよね。
これらの資産を適切に引き継がなければ、せっかく築き上げた検索エンジンからの評価がすべてリセットされてしまい、検索順位の大幅な下落につながってしまいます。
実際に、正しいSEO引き継ぎを行わずにサイトリニューアルを実施した結果、検索流入が50%以上減少してしまった事例も少なくありません。
301リダイレクトの基本知識と仕組み
SEO引き継ぎの中核となるのが「301リダイレクト」という技術です。
301リダイレクトとは、HTTPステータスコードの一種で、「このページは恒久的に別のURLに移転しました」ということを検索エンジンとユーザーに伝える仕組みです。
301リダイレクトと302リダイレクトの違い
リダイレクトには主に301と302の2種類がありますが、SEO引き継ぎの観点では大きな違いがあります。
301リダイレクトは「恒久的な移転」を示すため、検索エンジンは旧URLの評価を新URLに引き継ぎ、インデックスも新URLに更新します。
一方、302リダイレクトは「一時的な移転」を示すため、検索エンジンは旧URLの評価を保持し続け、SEO評価の引き継ぎは行われません。
つまり、サイト移転やURL変更の際は必ず301リダイレクトを使用することが重要なのです。
SEO評価が引き継がれる仕組み
Googleをはじめとする検索エンジンは、301リダイレクトを検知すると以下のような処理を行います。
まず、旧URLに蓄積されていた被リンクの価値(リンクエクイティ)を新URLに移転します。
次に、検索結果での表示URLを旧URLから新URLに更新し、検索順位も新URLで継続されます。
さらに、クローラーは今後新URLを優先的にクロールするようになり、旧URLのクロール頻度は徐々に減少していきます。
SEO引き継ぎが必要になる具体的なケース
サイト全体のドメイン変更
会社名変更やブランドリニューアルに伴い、「old-company.com」から「new-company.com」のように、サイト全体のドメインを変更する場合です。
この場合、旧ドメインのすべてのページから新ドメインの対応するページへ301リダイレクトを設定する必要があります。
常時SSL化(HTTPからHTTPSへの移行)
セキュリティ強化とSEO効果向上のため、「http://」から「https://」への移行を行う際にも301リダイレクトが必要です。
この設定を怠ると、HTTPとHTTPSの両方のURLが検索結果に表示され、SEO評価が分散してしまいます。
URL構造の変更
サイトリニューアルに伴い、「/blog/post123.html」から「/articles/seo-guide/」のように、URL構造を変更する場合も301リダイレクトが必要です。
特にWordPressなどのCMSでパーマリンク設定を変更する際は注意が必要ですよ。
ページの統合・削除
複数の類似ページを一つにまとめる場合や、不要なページを削除する際も、関連性の高いページへ301リダイレクトを設定することで、SEO評価を無駄にすることなく活用できます。
301リダイレクトの具体的な設定方法
.htaccessファイルによる設定(推奨)
最も確実で効果的な方法が.htaccessファイルによる設定です。
サーバー側で直接処理されるため、処理速度が速く、Googleも推奨している方法です。
個別ページのリダイレクト設定は以下のように記述します。
RewriteEngine On
Redirect 301 /old-page.html https://www.example.com/new-page.html
ドメイン全体のリダイレクト設定は以下のように記述しましょう。
RewriteEngine On
RewriteCond %{HTTP_HOST} ^old-domain\.com$ [NC]
RewriteRule ^(.*)$ https://www.new-domain.com/$1 [R=301,L]
常時SSL化の設定は以下のように記述できます。
RewriteEngine On
RewriteCond %{HTTPS} off
RewriteRule ^(.*)$ https://%{HTTP_HOST}%{REQUEST_URI} [R=301,L]
WordPressでの設定方法
WordPressを使用している場合は、プラグインを活用することで簡単に301リダイレクトを設定できます。
「Redirection」プラグインは無料で高機能なため、多くのサイトで利用されています。
プラグインをインストール後、「ツール」→「Redirection」から設定画面にアクセスし、ソースURL(旧URL)とターゲットURL(新URL)を入力するだけで設定完了です。
ただし、大量のリダイレクトを設定する場合は、パフォーマンスの観点から.htaccessファイルでの設定を推奨します。
その他のサーバー環境での設定
Nginxサーバーの場合は、設定ファイルに以下のように記述します。
server {
return 301 https://www.new-domain.com$request_uri;
}
IISサーバーの場合は、web.configファイルでURL Rewriteモジュールを使用して設定します。
URL正規化によるSEO評価の統合
URL正規化とは、同一コンテンツに対して複数のURLが存在する場合に、一つの正規URLに統一することです。
正規化が必要なパターン
www有り無しの統一が最も一般的な正規化です。
「https://www.example.com」と「https://example.com」は、人間には同じサイトに見えても、検索エンジンは別々のサイトとして認識します。
末尾スラッシュの有無も正規化が必要なケースです。
「https://example.com/category」と「https://example.com/category/」は技術的には異なるURLとして扱われます。
index.htmlの有無についても同様に正規化が推奨されます。
正規化の具体的な設定方法
www有りに統一する場合の.htaccess設定は以下の通りです。
RewriteEngine On
RewriteCond %{HTTP_HOST} ^example\.com$ [NC]
RewriteRule ^(.*)$ https://www.example.com/$1 [R=301,L]
canonicalタグを使用した正規化も有効な方法です。
HTMLのheadタグ内に以下のように記述することで、検索エンジンに正規URLを伝えることができます。
サイト移転時のGoogle Search Console設定
アドレス変更ツールの活用
Google Search Consoleのアドレス変更ツールは、サイト移転をGoogleに正式に通知するための重要な機能です。
ただし、このツールはドメイン全体の移転にのみ使用可能で、プロトコル変更(HTTPからHTTPS)やサブドメイン間の移転には使用できません。
使用方法は、旧サイトのプロパティで「設定」→「アドレス変更」を選択し、新しいドメインのプロパティを指定するだけです。
XMLサイトマップの更新
サイト移転後は、新しいドメインのXMLサイトマップを作成し、Search Consoleに登録することが重要です。
同時に、旧ドメインのサイトマップは一定期間残しておき、Googleが移転を完全に認識した後で削除しましょう。
プロパティの追加と監視
新しいドメインのSearch Consoleプロパティを作成し、インデックス状況やクロールエラーを継続的に監視する必要があります。
移転後数週間から数か月間は、旧サイトと新サイトの両方でパフォーマンスを比較し、問題がないか確認しましょう。
よくある失敗例と対策方法
リダイレクトチェーンの発生
複数回のリダイレクト(A→B→C)が発生すると、SEO評価の減少やページ表示速度の低下につながります。
必ず最終的な転送先URL(C)へ直接リダイレクトするよう設定しましょう。
関連性の低いページへのリダイレクト
削除したページを関連性の低いトップページなどにリダイレクトしてしまうケースがあります。
これはユーザー体験を損ない、SEO評価にも悪影響を与える可能性があります。
可能な限り、内容が類似した関連性の高いページへリダイレクトするよう心がけましょう。
内部リンクの更新忘れ
301リダイレクトを設定した後も、サイト内の内部リンクが旧URLのままになっているケースが多く見られます。
リダイレクトは機能しますが、ユーザーエクスペリエンスとクロール効率の観点から、内部リンクも新URLに更新することが重要です。
リダイレクト設定後の確認方法
リダイレクトチェックツールの活用
設定したリダイレクトが正常に動作しているか、専用ツールで確認しましょう。
「ohotuku.jp」のリダイレクトチェッカーなどの無料ツールが便利です。
旧URLを入力し、301ステータスコードが返され、正しい新URLに転送されるかを確認してください。
ブラウザの開発者ツールでの確認
より詳細な確認を行いたい場合は、Google Chromeの開発者ツール(F12キー)を使用します。
「Network」タブでリダイレクトの一連の流れを視覚的に確認でき、問題があれば特定しやすくなります。
Search ConsoleのURL検査ツール
Google Search ConsoleのURL検査ツールで、Googleがリダイレクトを正しく認識しているかを確認できます。
旧URLを検査すると「リダイレクトのあるページ」と表示され、新URLを検査すると「登録済み」と表示されれば正常です。
SEO引き継ぎの効果測定と改善
検索順位の監視
サイト移転後は、主要キーワードの検索順位を継続的に監視することが重要です。
一時的な順位変動は正常な範囲内ですが、長期間にわたって大幅な下落が続く場合は設定に問題がある可能性があります。
トラフィックの分析
Google Analyticsで新旧サイトのトラフィックを比較し、移転の成功度を測定しましょう。
オーガニック検索からの流入が適切に新サイトに移行しているかを確認してください。
インデックス状況の確認
Search Consoleでインデックス登録済みページ数の推移を確認し、旧サイトから新サイトへの移行が順調に進んでいるかを監視します。
まとめ:成功するSEO引き継ぎのポイント
旧URLからのSEO引き継ぎは、Webサイトの資産を守る重要な作業です。
301リダイレクトの正しい設定、URL正規化の実施、Search Consoleでの適切な通知により、これまで築き上げてきたSEO評価を新しいサイトに確実に引き継ぐことができますよ。
失敗すると大きな損失につながる可能性があるため、事前の計画立案と移転後の継続的な監視が不可欠です。
特に大規模なサイト移転の場合は、段階的な移行やテスト環境での事前検証を行うことで、リスクを最小限に抑えることができるでしょう。
今回ご紹介した手順を参考に、あなたのサイトでも安全で確実なSEO引き継ぎを実現してくださいね。